2012年10月5日金曜日

吃音体験スピーチ


昨日から無気力でして・・・(もちろん仕事はきちんとしてきました)

今日は手抜きで、
以前、奈良言友会のイベントや京都市のことばときこえの教室のイベントで、
吃音のある子どもの保護者の前でスピーチをしてきました。

好評だったそうですが、
今見ると、ずいぶん冗長に話してしまいました。。。

その時の原稿(メモ)を掲載します。

以下、原稿です。


私の吃音体験について、子どもの頃から順にお話していきたいと思います。次に、セルフヘルプグループに参加するようになった理由、私から吃音のある子どもたちに伝えて欲しい事をお話しようと思います。

母の話では言葉を話しだした当初から、私の記憶では幼稚園の頃から吃音の記憶があります。吃音については母とは小学生の頃から話していました。

吃音はあるものの、小学生の高学年になるまでは、音読や発表は得意でした。(音読などではどもる事は無かった)小学高学年から吃音を意識するようになりました。

先生は吃音について、理解していなかったようです。私が勉強に関係のないゲームを持って学校に行ってしかられたとき、「後ろめたいものがあるから音読がうまく出来ないんじゃないのか」と言われたことがあります。

当時の辛かった記憶:卒業式の門出の言葉を言うえなかったことです。なかなかスっと言う事も出来ず、家で何回も練習しました。少しでも緊張感が出るように、いすの上に登って練習しました。

中学・高校ではとくに吃音では苦労しなかったが、音読と先生と話す時は緊張しました。授業中にすらすら答えれないので、「社会に出たらそんなんじゃあかんぞ」と言われたのをきっかけに、将来に不安を感じ民間の診療所へ半年程度通いました。環境が変われば治る事もあるのでと言われ治療の終了を告げられました。結果としては、全く治りませんでした。

高校までずっと緊張した先生と話す事は、先生のところへ分からない事を聞きにいくうちに慣れました。

大学:卒業研究が始まると中間発表や卒業研究発表があり、すらすら喋れず苦労しました。沢山練習するもなかなか本番はうまく行きませんでした。それは大学院でも同じでした。

・就職活動:うまく喋れず。就職はなかなか決まりませんでした。研究もうまくいっていなかった事もあり、とても辛い一年を過ごしました。面接でカミングアウト(吃音があることを伝える。)しました。そのお陰かは分かりませんが、内定はいただけました。

・就職:連日の挨拶の練習などでとてもうまく喋れず辛かったです。同期にも笑われました。配属時にもカミングアウト。

配属された部署がよく営業電話を取り次ぎしていたので、電話応対などで「お前が電話に出ると。営業が恥をかく」など言われました。

技術職を希望していたこと、仕事や社風などが合わなく(吃音が関係ない理由で)短期間で退社しました。転職コンサルタントやハロワークの方は、吃音のカミングアウトを勧める方、勧めない方がいました。転職活動中に声をかけたもらった会社に入社しました(今の会社)。部署内(8人程度)のなかで朝礼当番が「安全の言葉」を唱和するですが、よくどもります。たまに顧客に電話をしますが、まだうまくは喋れません。どもるのを聞かれるのが恥ずかしいので、なるべく部署内が騒がしいときに電話をしています。特に苦情や上長から注意される事も無いので、「技術職であり、必要な事を伝えるのが仕事!」となるべく開き直るようにしています。

ここまでが私の吃音の体験談です。

セルフヘルプグループに参加するようになったきっかけは二つ。

社会では結果を求められます。就職活動、就労を通じてそれを経験し、不安を感じました。同じ悩みをもちながらも活躍する先輩方を見て、少しでも不安が軽減されればと思いました。

吃音に生まれたとういう事実は変わらないし、私の場合はもう治らないと思います。そのため、吃音を人生に活かしたいと考えるようになりました。つまり、人生を充実したもの、特に、吃音があるから出来る事を探したいと思うようになりました。

そのため、言友会の活動で色々な人に会い刺激を受けていきたいと考えて参加するようになりました。

セルフヘルプグループに参加して良かった事。

仕事では下っ端で分からない事が多く、言われた事をするのに精一杯です。しかし、セルフヘルプグループでは吃音を気にせずに意見を出したり、役員として自分で考えて行動できる。仕事でも遊びでも経験できないことが経験できます。

今不安な事。

仕事に関しては、喋る以前に技術的な知識が足りませんので、喋りまで考えている余裕がないというのが正直なところです。

私生活では、まだ結婚などの予定はありませんが、披露宴の挨拶はどうしよう、自分の子どもが吃音だったらどうしよう、など不安はつきません。

私から吃音をもつ子どもたちへ伝えたい事。

吃音があっても生きていけることを伝えていきたいです。そして、生きていけるので、吃音を理由に色んなことを諦めないで欲しいと伝えたいです。コミュニケーションは言葉だけではありません。僕は、図面を見せながら喋るといった、なるべく物を介して話すようにしています。色んな工夫をしながら、コミュニケーション能力を身につけていって欲しいです。そうじゃないと、吃音だけでなくコミュニケーション能力がないことで苦労します。私は自分の考えをとっさにまとめる事がとても苦手です。



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